第50章 ”アドラリンク”に”ドッペルゲンガー”ねぇ…
「ここ2・3日奴らに付け狙われたが…、なんで俺と聴なんだ?聴は心当たりあるか?」
『急に話振ってくるじゃん…。えーと、狙われた理由だっけ?私の場合は、ほら、この前の騒ぎの時に、ちょっと目立っちゃったからね。私のこと見てたやつがいて、どういう能力にせよ邪魔になる、とでも判断されたんじゃない?それか人質にでもしようとしたか』
「なるほど、聴さんには心当たりがある、と。じゃあ、紺炉中隊長が狙われた理由はなんだ…?」
考え込むシンラくん。
私が他に狙われるとしたら、“神の気まぐれ(ウィムオブゴッド)”関係だろうけど…。
そっちはたぶんない。
もしバレていたら、もっと人員を割いて殺しに来るはず。
あるいは今回の襲撃が見極めだったか。
だとしても、何の情報もあいつらには渡らないから問題ない。
「……。“アドラ”を見たことが何か関係あるんでしょうか?“アドラ”を見た人は何かしら傷を負ってる場合が多いみたいですね」
「じゃあ他の奴らも狙われるかもしれねェのか。だがなんで“アドラ”を見た奴を狙ってくる?」
「不都合なのか?“アドラ”を見た者がいるということが…」
該当するのはー…、ジョーカーと第1のバーンズさん。
あ、そういや、第4の大隊長も顔に傷があった気がするな。
なるほど、このメンツなら、灰病で弱ってるはずの紺兄を狙ってくるか。
敵が大したことなかったのも、舐められてたから。
いやー、灰病が治ったこと、隠しといて正解だったね、うん。