第45章 ほう・れん・そう
『聖陽教を興した教祖ラフルス一世は、別人が成り代わった偽物だった。浅草に偽物をばらまいた奴もこいつだとする』
「はぁ!?大災害は約250年前だぞ!?生きてるわけがねェ」
『私もそう思いたい。でも、あの時見た奴さんは、確かに気配に違和感があった。それどころじゃなくて、中身まで確認しなかったのが悔やまれるけど…』
反射的に噛みついてきた紅にそう返せば、ぐっと黙る。
「おい、聴、そいつァ確か、白装束の一味だったよな…?」
『うん』
「ってーと、何か?聖陽教会は白装束が作った、ってことか?」
『そうなんじゃないかと、私は思ってる』
頭の中を整理するように質問を口にした紺兄に、私は肯定で返した。
「“蟲”を使って、人を“焔ビト”にするような連中だぞ…?」
そう口にする紅は、ありえない、というよりかは、そうであってくれるな、という感じだ。
『神の望みがそれなら、教皇は従うように言うだろうね。何が目的なのかはサッパリだけど、少なくない人間が死ぬのはたしか。皇国の人間が死ぬのは別に構わないけど、巻き込まれないとも限らないし。ま、事実はなんにせよ、少し注意したほうがいいかなとは思う』
と締めくくった。そうしたら、渋面を作った2人から
「「何があった?」」
と同時に聞かれた。
はっ??