第42章 合流~!…って、おや?
***聴視点***
わー、ジョーカーのやつ、殺しちゃったよ。
自分の炎で、体内に入ったジョーカーの煙を無効化しながら、肉片を眺める。
え、私は何をしてるのかって?
いつも通り、気配を完全に消して、高みの見物です。
…おや?ここでまさかの第1の大隊長サマのご登場ですか。
え、もしかしなくても戦うの?…おうち帰っていい?
紅さーん!面白そうだ、じゃないんですよー!!
さすがに第1の大隊長とやり合ったら、隠し切れない。
止めに入るべきか?と悩んでいたら、第1の大隊長が、紅たちに背中を向けた。
あ、やめる感じ?良かった、常識のある大人がいた…。
戦わないと分かったので、これ幸いと、持ってきた特殊ゴーグルを装着して、会話を盗み見していく。
2人のアドラリンク、アマテラスでの事件、アドラから持ち帰った石に、高次元の存在?
さらには、教祖ラフルス一世の妻の手帳、ね。
随分といろいろ出て来るなぁ…。
しかも手記の内容は、紅の言う通り、身に覚えがありすぎる。
たしかに、浅草での事件は最近の出来事だけど、似たような能力が使える人間がいたとしても不思議じゃない。
いや…、でも…、今にして思えば、あの気配…。
正直、“アレが人間ではなく、250年前から生きているナニかで、今なお企みを続けている”って考えたほうが、しっくりくる。
ん…?これ…、自分の勘も入ってるけど、元になった情報が正しいとすると…。
おや…?この世界、滅亡するのでは?
仮に、それが敵の目的だとすると、手持ちの情報の取り扱いを誤れば、最悪、消される。
ついでに、ジョーカーの言うパンドラの匣が、何を指しているのかも予想がついた。
…うん、聞かなかったことにしたい。
…まぁ、そんなことしたら早死に確定だから、できないけども。
「ところで、襲撃者は3人だと聞いていたが?」
「途中で別行動を取ったんだよ。案外、あっちのほうが、被害がデカかったりしてなァ?」
「笑えない冗談だ。いくら私でも処理しきれんぞ…」
さて、そろそろ頃合いですかね。
『…なんだ、もう少し暴れて、第1の大隊長サマの仕事を増やしておけば良かったか?』
少しばかり覚悟を決めて、第1の大隊長とジョーカーのやりとりに、思ってもないことを吐きながら乱入した。