第41章 紅&ジョーカーside その2
***紅丸視点***
どうやら本当に知古らしいな。
…聴は闇医者だったのか?
いや、だが、このカチコミ中の感じからすると、暗部のことは知らねェ、か…?
「隊長は俺がやる。後は任せたぜー」
「あァ!?半分ずつじゃねェのか?」
ここまでの同伴者から告げられた内容に、秒で考え事を放棄する。
どう見たって、そいつが1番、強ぇだろうが。
「あいつら1人でも強ぇんだよ」
「…それならなかなか、やり応えがありそうだなァ」
脳内で、複数人とケンカするほうに天秤が傾いた。
聴のお墨付きだ。さっきのカッパよりか、いくらかマシだろ。
敵の合図で蒸気が放たれ、場を満たしていく。
目くらましとは、さすが、お膝元だな。
戦ってみりゃ、敵の呼吸はすべて、命を取りに来るマジモン。強さもそれなり。
だが…。
「殺すことしか考えてねェのか」
どいつもこいつも、馬鹿の1つ覚えだ。
おまけに、てめェの命も軽いと来た。
これじゃ、ケンカ相手にゃ、向かねェ。
あの野郎、俺に面倒なほうを押し付けやがったな?
次、やり応えがありそうなやつが来たら、仲間に入れてもらおうじゃねェか。