第41章 紅&ジョーカーside その2
***ジョーカー視点***
通路を抜け、ようやく開けた場所に出る。
「ネザーにこんなもんが…」
何も知らない人間からしてみりゃ、抱いて当然の感想だな。
「古いネザーの遺跡を利用して作った施設だ」
「こんなとこで何を企んでやがんだ?」
「おいおい、原国主義者がネザーを怖がるなよ?」
残念ながら、怖がってるさまなんざ、想像もできねェが。
緊張感とは無縁な調子で歩いていると、突然、辺りが暗転した。
「なんだ?」
最強サンの警戒度が、上がったのが分かる。
聞こえてくるのは、こっちに駆け寄ってくる複数の足音。
処刑の始まりを告げるように、赤いランプが点灯する。
周囲に集まった連中は、ご丁寧に、所狭しと並びやがった。
「この連中の中にお前もいたのか?」
「まぁな。聖陽の影、聖陽教の隠密暗殺部隊だ。カビ臭ぇやつらだよ」
俺と最強サンの会話が続く中、包囲網の中から、歩み出てきたやつが1人。
「この聖域は貴様ら俗物が踏み込んでいい場所ではない」
「つれねぇなァ。俺にとっては、ただいま、なのによ」
「なに?」
「52って言えば分かるか?」
「…ん?まさかお前」
「そうだよ」
ここで会ったが百年目、ってな。
さて、ここにミヤがいないのは、偶然か、必然か、どっちかねェ?