第40章 ハロー☆教皇サマ☆
***聴視点***
ゾクッ!
急に背筋を走り抜けた悪寒に、思わず辺りを見渡す。
え、なに…?なんか今、身の危険を感じたんだけど…?気のせい…?
視界を切り替えてみても、やっぱり眠りこけてるカッパしかいない。
そりゃ、入眠作用のある香をたいたんだ、当然の反応。
やっぱり気のせいかな…?
首を傾げつつ、カッパがやっていたのと同じ手順で扉を開く。
部屋に足を踏み入れると、背後で扉が閉まる気配がした。
「神よ!愚かなる侵入者に、裁きの鉄槌を!」
とかなんとか言いながら、四方八方で銃を発砲しようとするのが見える。
…教皇の前で銃を乱発して流血沙汰、ってのは、あんたら的にセーフなの?
てっきり、さっきまで丸腰だったから、蛮族の血で聖域が汚れないように、って縛りプレイをしてるのかと思ってたのに。
「なっ!?弾が発射されないだと!?」
まぁ、今回は、火種が私の支配下なので、そんなことにはなりませんが。
『そう慌てるな。俺は教皇サマと話がしたいだけだ』
「ふざけるな!貴様のような動物と」
『話が聞ければ、手出しはしない。ここから前に進まないことも約束する』
コツコツ、と靴で自分の足元を叩く。
「我々を侮辱しているのか!」
「おやめなさい」
お、やっと教皇サマの口が動いた。
「教皇様!?しかし!」
「良いではありませんか。話し合いで解決するというのなら、それが最も平和的でしょう」
「……かしこまりました」
肝が据わってるのか、平和ボケしてるのか…。ま、なんでもいいや。