第36章 ダイナミックお邪魔します
「正義なんてたいそうなもんじゃねェよ。俺は自分の周りが楽しく暮らせればそれでいい。俺が原国主義者だからか知らねェが、聖陽教ってのは、なんか気に入らねェ。アマテラスでもたらされるエネルギーも、なんか血生臭ェんだよ」
紅のセリフを聞いて、ジョーカーの笑みが深くなった。
さしずめ、いい勘してるじゃねェか、って思ってるんだろうなぁ…。
「言われてみりゃ、アンタはどうなんだ?ミヤ」
『わざわざ聞くことか…?前に同じ、以外の答えは持ち合わせてねェよ』
呆れ顔でジョーカーに返せば、紅から少しだけ嬉しそうな気配が伝わってきた。
ねぇ、紺兄…。紅が可愛いんですが…。
「くくっ!お前らといると緊張感がなくていいなぁ。こいつら見た目はこれだが精鋭揃いだぜ?」
精鋭…?え、どこの階級における精鋭?
…いや、そもそも私の定規が可笑しいのか?
思わず遠い目をする私を他所に、紅は何やら言いながら歩を進める。
私は紅の進行方向に目を向けて
『!おい!ちょっと待て!』
と声を上げた。
が、少し遅かったらしい。紅の動きが不自然に止まった。
「おーい、どうしたー?」
私は額に手を当て、ジョーカーは歩いて紅に近づいていく。
そうしている間に、紅はゆっくり倒れていった。
あーあ、もー…。