第3章 「巡り巡った愛の先」/玉藻 《現パロ》
私は今年から社会人になって二年目になった。
未だに慣れていないところもあるけれど、
楽しく愉快に日々を満喫できている。
「由乃ちゃん、来週からこの場所に伺ってもらえる?」
「……!あ、はい。分かりました」
直属の上司に呼び出され、
何事かと思いハラハラとしていたけれど、
上司の私を呼び出した用事というのは、
平たくいえば出張してほしいとのことだった。
上司に示された場所はどうやら田舎町のようで、
自然豊かな場所なのだと呼び出された後に調べてみて分かった。
昔から何かと自然の風景を見るのが好きだった私は、
仕事だとしてもこの高揚感を止められずにいた。