第3章 「巡り巡った愛の先」/玉藻 《現パロ》
──夕飯やお風呂などすべきことを終わらせた私は、
貸してもらった部屋で布団を敷き、
その上に正座になって私の心に引っかかる『何か』を考えることにした。
まず『玉藻』という名前。
初めて聞いたはずのこの名前は、
何故か私の中ですとんと落ち着いたのだ。
納得のいくような安心するような、そんな名前。
私にはこの現象が何なのかよく分からない。
そして玉藻さんに私の名を言った後のあの微笑みが、
見た事のあるものだったということ。
初めましての筈がそうでないような感覚。
私は考えるために廊下に出てその縁側に座り込み、
顔を出した満月を見つめながらぼーっと考えてみる。
少し肌寒くなったからか寒さを感じたが、
それが『今の私』を留まらせてくれるようで。
現実を見せてくれているように感じて丁度いいと思った。
「こんなところにいると、風邪を引くぞ」
「……!!」
いつの間にか私を見下ろしていた玉藻さんに気付き、
私はビックリしてしまう。
その手にはお盆があり、
そこにはお茶と茶菓子が乗っていた。
そうして私の隣に当たり前のように座り込んだ玉藻さんが、
私の方にお茶と茶菓子を置いてくれる。
「ありがとうございます」
それを受け取り、
私温かな湯気の出ているお茶をそっと口元へ運ぶ。
ポカポカと身体の内側から温まっていく感覚にそっと幸せなため息を吐く。
「……やはりまだ、思い出さないか」
「え?」
隣に座り私と同じように月を見上げていた筈の玉藻さんが、
ポツリと零した言葉の意味が気になって、
私は反射的に玉藻さんの方へと向く。