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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第14章 山姥切国広 私の純情愛刀・:*+.


「私ね…。まんば君が好き」
「っ!…俺なんかのどこがいいんだ?」

不器用な私たちは長い長い道のりを経て、ようやく恋仲になった。
想いを伝えた時に、顔を赤らめ少し戸惑いながら私を見つめ返したまんば君が今でも忘れられない。

「何を考えている?」
その時の甘い記憶を思い出して、柔らかく微笑む私を覗き込むまんば君。
「ふふ。まんば君の事考えてたの」
「…っ!あんたはまたそうやって…」
みるみるうちに赤くなる顔を布で隠す彼が可愛くて、私はぐっと布を引っ張る。

「ねぇ?まんば君の顔見たいよー?」
「…見るな!」
「まんば君…好きだよ?」
「っ!俺は…うわっ!」

布を引っ張っていた私の腕をぐっと掴まれた瞬間、私たちはバランスを崩して床に倒れこむ。

「すまない…大丈夫か?」
「大丈夫だよ。私が引っ張ったから…ごめんね?」
「いや…いろはは悪くない。…っ…」
「あっ…の…」
まんば君に押し倒されたような体勢のまま、見つめ合うと少し気恥ずかしくなって、お互い目を逸らす。

「いろは…」
名前を呼ばれて淡い期待が心をくすぐり、私はまんば君の青緑色の瞳を見つめる。
そのまままんば君の顔が徐々に近づき、私はゆっくり目を閉じた…。

ん?
しばらく待っても唇に何の感触もなく、おずおず目を開けると、真っ赤になって固まっているまんば君。

「…まんば君?あの…大丈夫?」
「す…すまない。用事を思い出した…」
立ち上がり、そそくさと部屋を去っていくまんば君の背中を茫然と見つめる。

「口付け…してほしかったな…なんて。」

本当はもっと触れて欲しい。
もっと恋人らしいことがしたい。

この想いはまんば君を困らせる?

私が我儘なのかな…。

私は心に芽生えたもどかしさを誤魔化すように、机に無造作に置かれていた書類に手を伸ばした。
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