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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第13章 白と黒の誘惑 大倶利伽羅END˚✧₊⁎


「私はこちらの旦那様を選びます。」
私は大倶利伽羅さんを見つめて、そう答えた。

歌仙さんは、全てを受け入れたように寂しげに微笑み部屋を後にした。

私は大倶利伽羅さんが迎えに来てくれた安心感で、緊張の糸が一気に切れ、その場にへなへなとしゃがみ込む。

「急に…力が抜けて…私…」
「すまなかった。」
大倶利伽羅さんがしゃがみ込んだ私の頬を両手で包む。

「いろはに怖い思いをさせた。…守ってやれなくてすまなかった。」
大倶利伽羅さんは苦しげな瞳で私を見つめる。

「なんで…大倶利伽羅さんが謝るんですか?…助けに来てくれて…私っ…すごく嬉しくて…」
大倶利伽羅さんの表情からどれだけ私を心配してくれたかが伝わり、目頭が熱くなり耐えきれずに涙がぽろぽろ溢れ出す。

「…心配かけてごめんなさい。私っ…怖かったです…。大倶利伽羅さんやみんなにもうこのまま会えないのかと思いました…。」
大倶利伽羅さんは私の背中を優しくさすってくれる。

「よく頑張った。もう大丈夫だ。これからは絶対離れない。」
大倶利伽羅さんの言葉一つ一つが優しくあたたかく、心の奥まで満たしていく。

「もう大丈夫です。ありがとうございます。」
「あぁ。」
そのまま私が少し落ち着くまで、ずっと優しく抱きしめて背中をさすってくれた大倶利伽羅さんにほほえむ。

「ここから逃げるのは、人が出払った明け方にしよう。それまで少し休め。」
そう告げて褥から離れようとする大倶利伽羅さんの手をぎゅっと握る。

「どうした?まだ怖いか?」
私は首を横に振りながら、熱の宿った瞳で見つめる。

「…もっと強く抱きしめて…欲しいです。大倶利伽羅さんに…」
「っ!…いろは?」
「ここで誰かに春を売らなきゃいけないって、諦めの気持ちになった時…頭に浮かんだのは大倶利伽羅さんの事ばかりで…」
「…それは今朝の返事だと捉えていいか?」
「はい…。私の愛刀になってほしいです」
私は真摯な眼差しで大倶利伽羅さんを見つめる。

「…あぁ」
たった一言の返事だったが、大倶利伽羅さんの嬉しそうな表情を見て、私は思わず顔を赤らめ顔を隠す。

「いろは?何で顔を隠す?」
「だって…大倶利伽羅さんの笑顔が…あまりにも可愛くて…」
「っ!…見るな…」
照れたような表情で顔を背ける大倶利伽羅さんが一層可愛くて、私は思わず顔を覗き込む。
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