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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第11章 歌仙兼定vs大倶利伽羅 白と黒の誘惑・:*+.


「はぁぁ。だめだ…眠れそうにない。」
先ほどの出来事を悶々と考えて、眠れなくなってしまったいろはは、気分転換に庭を散歩しようと外に出た。


その頃、大倶利伽羅は庭で星を眺めていた。
いろはが可愛がっている子猫が膝の上に乗ってきて、優しく撫でてやると気持ちよさそうに目を閉じる。

ふと昼間のいろはの顔が頭に浮かんできて、たまらなくいろはに会いたくなる。

こんな気持ちになったのはいつからだったか。

俺は顕現してから他の刀剣と馴れ合うつもりもなく、いろはとも一線を引いていた。

そんな俺が出陣で重傷を負って、破壊寸前の状態になった。
それまでは一人で戦い一人で死ぬ事は何も怖くないと思っていた…だが、いざその時が迫ると急に様々な記憶が頭に浮かんだ。

光忠、貞宗、本丸の仲間…そしていろはの笑顔。

あぁ…まだもう少し…ここにいたい。

「大倶利伽羅さん!!絶対あなたを折らせません!私が絶対に守るから!!」
半分折れかかった俺は朦朧とする意識の中で、いろはの必死に呼びかける声だけが一筋の光のように感じた。

その後俺は無事に目を覚ましたが、それと同時にいろはが倒れた。
後から聞いた話では、いろはは俺が目を開けるまで一睡もせず面倒を見て、側にいてくれたそうだ。

今ここに俺がいるのは、あんな小さい身体で俺を守り抜いてくれたいろはがいるから。

その日から俺はいろはを守りたい、側にいたいと思うようになった。
いろはが笑うと自分も嬉しくなるし、悲しんでいるとその根源を絶ってやりたいと思う。

今日はもっと触れたいと思った。
日に日に増していく抑えきれない自分の欲望に苦笑する。

「にゃ〜」
「花ちゃん!…と大倶利伽羅さん?」
「…こんな夜にどうした?」
急に意中の相手が目の前に現れ、驚きを隠せないままいろはを見つめる。

「ちょっと眠れなくて…。花ちゃん大倶利伽羅さんにすごく懐いてますね!気持ちよさそう。」
「あぁ。寝ているこいつを動かせなくてな…」
「ふふ…大倶利伽羅さんは本当に優しいですね」

いつもとは違う、少し違和感を感じる表情で笑ういろは。
また一人で悩みを抱えているのか…。
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