第10章 御手杵 ハロウィンの戯れ・:*+.
「なぁ。いろは?…もう一回しよ?」
再び熱を持った愛しい御手杵さんに抗えるはずもなく、私たちの甘い夜はいつまでも続いた。
ーハロウィン当日。
「…で?なんで主は御手杵のジャージを着てるわけ?」
魔女の衣装の上に御手杵さんのジャージを着て、首までしっかりとジッパーを上げている私に清光が詰め寄る。
「清光…あのねっ?衣装はすごくすごく可愛いんだけど、ちょっと露出が多くて…そのっ…御手杵さんが気になるみたいで…」
私は、困ったように微笑む。
「はぁ。御手杵…ある意味主を独占したね…。」
「えっ?」
「なんでもなーい。ほら?愛刀のお出ましだよー」
警察官の衣装を着た御手杵さんが現れ、私の肩を優しく抱き寄せる。
「はぁぁ…。俺のジャージ着てるいろはも最高に可愛いな」
「そんな…御手杵さん…すごくかっこいいです」
「はいはーい。ごちそうさま!
…ってか御手杵…主に彼シャツなんてズルすぎなんだけど…」
呆れて苦笑する清光の腕を両側から掴み、私たちは顔を見合わせにやりと笑って口を揃えてこう唱える。
「トリックオアトリート!!」
楽しい楽しい宴はまだまだ始まったばかり。
Fin
●○おまけ○●
「主!一度でいいので…この長谷部のジャージを!どうか!」
「いろはちゃん。僕のジャージを着てみるかい?きっとすごく似合うよ?」
「主。このジャージを着て茶を飲もう。」
「ねぇ君。弟の栗丸が君にジャージを着せたいって。どうかな?」
「…あっ!兄者っ…!!」
この後、なぜか他の刀剣達に次々とジャージを差し出されて困るいろはでした♡