第10章 御手杵 ハロウィンの戯れ・:*+.
「はぁはぁ…。御手杵さん…」
「ごめんな…いろはが可愛すぎて…歯止めが利かなかった」
御手杵さんは私の腕を解放し、優しく涙を拭ってくれる。
「私も…いつもと違う御手杵さんにドキドキして…いつも以上に…」
「感じたか?…たまにはこういうのも良いかもな。いろはのすっげぇ可愛い顔見られるし…」
御手杵さんは手錠を見つめて、悪戯っぽく笑う。
「っ!御手杵さんっ…意地悪です…」
急に恥ずかしくなって、彼の胸に顔を埋める。
「いろは?顔あげろよ?」
「だめです…。何か急に恥ずかしくなっちゃって…っ!」
御手杵さんに顎を持ち上げられて、熱い視線が重なる。
「いろは愛してる」
「私も…愛してます」
御手杵さんは優しく口付け、ぎゅっと抱きしめてくれる。
あぁ…私は本当に御手杵さんに弱い。
こんなに愛らしい表情で甘い言葉を囁かれたら、好きにならずにはいられない。
もっともっと彼に溺れてしまう。
その後私たちは甘く戯れあい、重くなっていく瞼を閉じた…。
夜中に目を覚ました私は、隣ですやすや眠る無防備で可愛い御手杵さんの髪を優しく撫でる。
「うーん…。この跡ファンデーションで隠せるかなぁ」
寝ている御手杵さんを起こさないように鏡を覗き、自分の身体に多数つけられた彼の印をそっとなぞる。
「いろは」
「…ひゃっ!」
寝ていたはずの御手杵さんに後ろから抱きしめられ、びくっと震える。
「なんで俺の印を隠そうとすんだ?」
少し拗ねた声で、私の首筋に顔を埋める御手杵さんが可愛すぎる。
「あのっ…嫌とかじゃなくて…でも衣装を着た時に…ちょっと恥ずかしいかなって…」
「だめだ…!やっぱりこんな可愛いいろはを他の奴らに見せたくねぇ」
「なぁ…いろはこれ羽織ってくれねぇか?」
立ち上がった御手杵さんは持っていた自分のジャージを私に着せる。
身長が192cmある御手杵さんのジャージはぶかぶかで、小さい私の指先や太腿まですっぽりと隠してしまう。
「なんか…これはこれで…やばいな」
「御手杵さん?どうしました?」
少し目を逸らしながら、呟く御手杵さん。
「いろはが俺のジャージ着てると…可愛すぎるし…なんか俺のものって感じがして…」
「えっ?…きゃっ」
御手杵さんは私の腕を掴み、ベットに押し倒す。