第2章 加州清光 甘酸っぱい想い・:*+.
「っ…清光!待って!痛いよ…ねぇ?聞いて!」
審神者部屋に着いた途端、いろはを無理やり押し込み、壁際まで追い込むと有無を言わさず唇を奪う。
「んっっ…きょみ…!やっ…」
いろはの苦しそうな声が耳に響く。
あぁ…いろはとの初めての口付けはもっとロマンチックにしたかった。
俺ほんとだめだな…可愛くない。
でももう止まれない。
他の刀剣には絶対渡さない。
「やめっ…!んっっ…ふぁ…あっ…」
呼吸も許されない激しい口付けが辛くて、必死に俺の身体を押し返そうとするいろはの腰をぐっと掴み更に深く口付ける。
口の隙間からするっと舌を挿入して、歯の後ろをなぞるように舐めていくと、いろはがぞくぞくと震え、瞳がとろんと蕩けてくる。
「もぅ…っだめ…あっ…!おねが…」
苦しそうに弱々しく懇願するいろはの声にも耳を貸さない。
「なんで?俺じゃだめ?」
繰り返される甘い刺激に瞳が潤み、立っていられないいろはを支えながら、口内に濃厚な刺激を与え続ける。
「俺を選んでよ。いろは」
やっと唇を解放すると、はぁはぁ…と呼吸を乱す健気ないろはの顎をぐいっと持ち上げ、その瞳をじっと見つめる。
「ずっとずっといろはが好きでどうしようもなくて…今日ちゃんと想いを伝えようとしたのに…なのに!」
いろはの瞳に写る自分は熱を宿し、嫉妬で我を失った野獣のようだ。
「っ…遅いよ清光…」
「えっ?」
「もぉ…ずっと待ってたよ?私の気持ちにいつ気づいてくれるのかなって…」
いろはの瞳から一粒の滴がこぼれ落ちる。
「私はずっとずっと清光が好き」
俺はいろはの言葉をすぐ理解出来ず、頭の中で何度も復唱する。
えっ?いろはが?俺のことを好き?
えっ?うそ⁈って事は両思いだったの⁈
「えぇぇぇー⁈‼︎」
嬉しさの余り動揺する俺を見つめながら、いろはは顔を赤らめくすくす笑う。
「ねぇ。これからは愛刀としてよろしくね?」
ほっぺに優しく口付けられ、頬が真っ赤に染まっていく。
愛らしすぎるいろはの全てに俺の胸は高鳴り、またすぐに身体に熱が戻ったのが分かる。
「可愛すぎでしょ…もうずるい…」
「清光?」
「そんな口付けじゃ足りない…もっといろはが欲しい。いい?」