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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第8章 宗三左文字 籠の中の歪んだ愛・:*+.


ー翌朝。

案の定、眠そうな目を擦り食堂に入ってくる彼女。
彼女の姿を見つけたお小夜が駆け寄り、僕らの席に連れてくる。
「あっ…おはようございます。…宗三さん」
少し戸惑いながら挨拶をする彼女。

「おはようございます。あまり眠れなかったのですか?」
「主…怖い夢でも見たの?」
「大丈夫だよ。ちょっとお仕事の事を考えてたら寝れなくなっちゃって…」
心配そうに見つめるお小夜に笑顔で返す彼女。
ちらっと僕を見て顔を赤らめ目を逸らす。
本当に素直で愛らしい彼女。


僕は朝餉を食べ終え、薬研を訪ねる。
「大将が?」
「えぇ。眠れないようなんです。薬を煎じていただけませんか?」
「それだと…かのこ草が良いな。でもあまり大量に飲むと一気に眠気が襲ってくるかもしれないから、少量をお茶に混ぜるように言ってくれ。」
「分かりました。」


「入りますよ?」
「…宗三さん?えっと…」
僕は有無を言わさず、審神者部屋に入る。
手にはかのこ草のお茶を持って…。

「昨夜は僕のことを考えて眠れなかったのですか?」
僕はお茶を出しながら、彼女を見据える。

「っ!宗三さん…。だって急に…あんなことするから!」
「嫌でしたか?」
「…えっ?嫌とかじゃ…ないですけど…きゃっ!」
僕は彼女を押し倒し、腕の間に閉じ込める。

「っん!やっ…っ!」
そして首筋や鎖骨を唇で強く吸い上げて僕の印を赤く残した。

「これで僕のいろはだと分かりますね。あぁ…着物では隠せませんよ?」
「っこんなこと…どうして?」
「いろはを愛しているからですよ。」

その瞳は危うさを秘めていて、いろはの頭には警戒音が鳴り響く。
「愛してるなら…こんなやり方やめてください」
彼女は僕の胸を押し返そうとするが、びくともしない。

「…僕はこんなにもいろはを愛しているのに、どうしていろはは僕を受け入れてくれないのですか?」

その時いろはは急な眠気に襲われ、身体に力が入らなくなる。
「え?私…なん…で?」
「かのこ草が効いてきましたね。さぁ…ゆっくりお休みなさい」

妖しくほほえむ宗三の顔がどんどんぼやけていき、いろはは意識を手放した。
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