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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第7章 御手杵 ピュアな彼の秘めた欲望・:*+.


「ギネ!バミ!探したぞ!鍛錬に付き合ってくれ。」
その時同田貫さんが居間に現れ、話題が逸れた事に少しほっとする。

「ギネってなんだかなぁ…。いろはちょっくら行ってくる。」
「バミって…」
大きな手で私の頭をポンポンと撫でていく御手杵さんに、あだ名が不満そうな骨喰さんが続く。
私は二人の姿を見てほほえみながら、御手杵さんの大きな背中を見送る。

「なぁきみ。」
急に鶴丸さんに顔を覗きこまれた。

「っ!鶴丸さん?どうしました?」
「きみは本当に御手杵で満足しているのか?」
鶴丸さんは私との距離を詰めながら、壁際に追い込む。
「えっ…と鶴丸さん?ちっ…近いです!」
壁に背中がついて両腕で逃げられないよう左右を塞がれる。
「お望みなら俺がいろいろと…」

「なーにしてんだ?」
ふいに現れた御手杵さんが鶴丸さんの首裏の襟をぐっと引っ張り私から引き離した。
「こりゃ驚いた!道場に行ったんじゃないのか?」
「行ったんだけど、槍を忘れた!」
「ははは。きみ流石だなぁ。」
鶴丸さんは何事も無かったように去っていく。

鶴丸さん…今の何だったの?
しかも御手杵さんに見られた!
私は一人動揺しながら御手杵さんの顔を窺う。
「…まぁあんたは可愛いから。気を付けろよ?」
御手杵さんは普段通りにそう言って道場に戻ってしまった。

それだけ…?
御手杵さんは嫉妬とかしてくれないのかな…。
取り残された私は、なんとなく寂しい気持ちになりながら仕事に戻った。

その夜、私はあえて御手杵さんの部屋を訪れなかった。
審神者部屋に御手杵さんが訪ねてこないかと、淡い期待を抱いていたが、御手杵さんは来てくれなかった。

「はぁぁ。」
ため息が溢れる。
そう言えば、いつも私からだ。
いつも私ばかりが欲しがっている気がする。
御手杵さんは私がお願いしたら叶えてくれるけど、自分から私を求めてくれた事はない。
私ばっかりが御手杵さんを好きみたい…
御手杵さんは?私を好いてくれてるのかな?

そんな事を考えていたら、寂しさと不安に呑まれて一睡もできなかった。


翌朝、私は眠い目を擦り食堂へ向かう。
骨喰さんと並んで座っている御手杵さんを見つけたが、いつものような明るい気分にはなれない。
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