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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第4章 にっかり青江 ずるい彼は満月に野獣と化す・:*+.


「ひゃ!いっ…忙しいですよね?すっすいません。気にしないでください!!」
急に近づいた距離に動揺を隠せず、立ち去ろうとすると「今夜…部屋で待ってるよ?」と声をかけられた。

意外な返事におもわず振り返ると「あぁ…映画のことだよ?」と意地悪な笑みを向けられる。

あぁ…もう心臓がもたない…。。



夜になり高鳴る気持ちを抑えながら、彼の部屋を訪ねる。

「にっかりさん…いろはです。」
ゆっくりと扉が開かれ部屋着姿の彼が招き入れてくれる。

「きみ…夜這いに来たのかい?」
「ちがいます…」
「ふふ。残念だなぁ」
相変わらずの彼のペースに呑まれないように、心を落ち着かせて映画を観る準備をする。
テレビの設定が出来て振り返ると…

「おいで?」
彼は私の腕をぐっと引っ張り、自分の座っている上に座らせた。
そして後ろからぎゅっと抱きしめお腹辺りに腕を回す。

「うん。心地いい抱き枕だ。」
顎を肩にのせて耳もとで囁かれて、私の心臓はバクバク音をたてる。

「っ…私は抱き枕じゃないですよ?」
「おや?そうかい?困ったね。心地良くてもう手放せないな」
クスクスと柔らかく笑う彼。

「にっかりさんはズルいです…」
私ばっかりドキドキして、私ばっかり好きで…

「ふふふ。悪い男に囚われてしまったね?」
艶のある声で余裕たっぷりにほほえむ彼に優しく拘束され、私はもう映画どころじゃなかった。

映画が終わった後も「おやすみ主。もしきみの部屋に幽霊が出たら僕を呼ぶんだよ?」といつものように笑う彼。

この気持ちを特別だと感じてるのは私だけ?
一緒にいるとこんなにも胸高まるのに、こんなにも切なくて辛い…。

その日は結局寝付けないまま朝を迎えた。


朝餉を食べに食堂へ向かう途中、何気なく広間にあるお仕事ボードを見て絶句…

今日の近侍はにっかりさんだった!!
いろいろあってすっかり忘れてた!
なんでこんな日に限って彼なの?
(※この本丸ではすべての刀剣が順番に近侍をするスタイル)


いつもなら彼の近侍当番が回ってくるのが待ち遠しくて堪らなかったのに…
今日は昨日の出来事が鮮明に思い出されて、彼にどんな顔で会えばいいのか分からない。

朝餉も喉を通らず審神者部屋に戻る。
「僕だよ。入るよ?」
突然意中の人の声が響き、心臓が飛び跳ねる。
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