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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第20章 明石国行 眼鏡の奥の熱い春情・:*+.


꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳

【明石目線♥︎︎】

薬研から渡された紙を見ながら、老舗宿の暖簾をくぐると、安らぎを感じる木造の建物と趣がある庭が目に入る。

「鈴音楼…ここですね!うわぁ〜!素敵な旅館ですね。」
「ほら?ちゃんと前見な池に落ちるで。ほんまに目離せへんなぁ。」
「わわっ…すいません…」
目キラキラさせて、子供みたいに無邪気にはしゃいで…。
この可愛いおひぃさんは…ほんまどないしよか。その笑顔は反則やで?

「迷子なったらあかんから、捕まえとかなあきまへんな。」
「うぅ…私は子供じゃないですっ…」
揶揄いながら手を握ったら、拗ねた素振りでそっぽ向きながらも、自分の手をぎゅっと握り返す主はん。
その頬が赤く染まったんが分かって、口元がほころぶ。
あかん。これはあかんわ。
自分、いつまで理性保てるやろか…。

「ようこそおいでくださいました。」
玄関で出迎えてくれた若女将に続いて、部屋へ向かう。

「ご夫婦で旅行ですか?とても可愛らしい奥様ですこと。」
「えっ…」
「おおきに。自慢の女房です。」
かぁっと顔を赤らめる主はんの肩を抱き寄せる。
ふっ…期待通りの反応やな。
ころころ変わる素直な表情で、何を考えてるんかすぐ分かる。
その頭の中、もっと自分のことでいっぱいにしたいわ。

「お客様のお部屋は、離れでございます。温泉は離れの裏口を出て、小道を進んだ場所にございますので、ぜひお楽しみくださいませ。」
部屋に入ると、広々とした和の空間に白檀のお香がふわっと香る。

「お布団はこちらに用意してございます。」
「えっ…!」
畳に敷かれた一組だけの布団に動揺する主はん。
「如何なさいましたか?」
「んぐっ…」
主はんの口を手で塞いで、にっこり微笑む。

「何もありまへん。おおきに。」
「それではごゆるりとお寛ぎください。」
若女将が部屋を出た瞬間、布団に寝転がって主はんを見上げる。

ふっ…「どうしよう!?」って顔に書いてある。
そんな泣きそうな顔しんといてぇな。
可愛すぎて、もっと苛めたくなってしまうやん。

なぁ、主はん。もう待たへんで?
絶対誰にも渡したくないねん。
せやから…これから自分に惚れてもらいますわ。

「はぁ…ええなぁ。昼寝でもします?」
「ちょっ…明石さっ…!」
ぐいっと腕を引っ張って、倒れ込んできた主はんをぎゅっと抱きとめる。
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