• テキストサイズ

*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第20章 明石国行 眼鏡の奥の熱い春情・:*+.


「そん時は"これ"ちゃんと外しますから。ほな…おやすみなさい。」
眼鏡の縁を長い指先でトントンと突き、私の頬を優しく撫でて去っていく明石さん。
私はその場にへなへなと座り込む。

あれ…何このドキドキ?
明石さんってあんなに素敵だった?
色気が溢れすぎて…目が離せない。
普段、やる気を出さない緩い明石さんばかり見てきたから、ギャップが凄すぎて頭がついていけないよ…!

なんとか立ち上がった私は自室の鏡の前に座り、唇の傷に薬研さん特製の軟膏を塗り込む。

早く治ってほしいな…。
…ってこんなの私が明石さんとの"それ"を期待してるみたいっ…!
でも期待…しちゃってるかも…。

「明石さん…」
明石さんが私のために言ってくれた言葉が頭から離れない。

"主はんを守れへんのやったら自分は何のためにここにいるんや!?"
"何よりも大事なんはあんたなんやで!?"
大切にされていることを実感する優しい言葉の数々に瞳が潤み出す。

私を守ってくれた力強い左腕。
ぎゅっと抱きしめてくれた温かい胸。
私の為に挙げられた雄々しい声。

どうしよう…明石さんのことばかり考えちゃう…。
ベッドに横たわったものの、興奮が冷めきらず、眠れないまま朝を迎えた。

ー翌朝。

「あぁ…流石に疲れたなぁ…。」
徹夜続きで睡眠不足の身体はもうそろそろ限界かもしれない。
今日は仕事の合間に少しお昼寝をさせてもらおうかな…。

ガッシャーン!
伸びをしながら食堂に向かっていると、不意にくらっと目眩がして、咄嗟に近くの棚に手を伸ばした反動で、花瓶が落下して割れてしまった。

「大将大丈夫か!?」
「薬研さん…?ちょっと立眩みがして…すいません。花瓶を片付けないと…」
「花瓶は兄弟達に頼むから気にするな。とりあえず医務室に行くぞ?」
「えっ?あの…自分で歩けます…!」
「大将。良い子だから大人しくしておいてくれ?」
「は…はい。」
薬研さんに抱き上げられ、医務室に向かう。

薬研さんは私の主治医だ。
私が体調を崩したり、怪我をした時は、いつもすぐに診察して治療してくれる。
私がいつも持ち歩いている薬研さん特製軟膏は、全身に使えてどんな傷もすぐに治ってしまう。
唇もきっとあっという間に…って私は何を考えてるのっ!?
とっ…とにかく薬研さんは本当にすごいのですっ!
病院にいたら絶対に大人気の先生だろうなぁ。
/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp