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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第19章 髭切 姫彼岸花の約束・:*+.


「みんなに説明なんていろはは律儀だなぁ。そんなの見せちゃえば良いのに。」
「"見せる"って?それは髭切さんがみんなの前で"奥方"なんて言っちゃうからですよ?私もびっくりして…んっ」
「こういう事だよ?」
私に口付けてにっこりと微笑む髭切さん。

「こっ…こんなの見せたら…安定くんが激怒してまた抜刀しちゃいます…。」
「へぇ?ずいぶん彼と仲が良いみたいだね?なんだか心がもやもやするなぁ。僕、また鬼になっちゃいそう。」
髭切さんは私の着物の帯をしゅるっと解くと、大きく開いた胸元に顔を埋める。

「あっ…待って…っ!髭切さん」
「百二十六日。」
「えっ?」
「千年生きてきて、こんなに長く感じた時間は初めてだったよ。一日の始まりに君を想って…」
ちゅっと強く吸い付きながら、白い肌に赤い華を咲かせていく。
その懐かしい甘い痛みに幸せがこみ上げてくる。

本当に…また会えたんだ。
これからはずっと一緒にいられるんだ。
髭切さんの逞しい身体付き、柔らかい髪の毛、優しいお日様の香り…全部が愛しくてたまらない。

「んっ…あぁっ…ひげっ…」
「君の笑う顔を思い浮かべて…。あぁ、君は泣き顔も艶っぽく乱れた顔もとっても可愛いけどね?」
「っ…意地悪っ…!んんっ…」
くすくすっと笑いながら、何度もついばむような口付けが落とされる。

「そして一日の終わりに君を想って…。花山院が逝去してから、君に譲渡されるのをずっと待っていたんだ。」
「髭切さんは、私に譲渡されるって分かっていたんですか?」
私を射抜く宝石のような金糸雀色の瞳をじっと見つめ返す。

「うん。君の加護札の紋を見た時から、君は花山院の弟子だって気付いてたよ。それに君の霊力は彼にすごく似ていたから…温かくて優しい全てを包み込む慈愛の心。」
「私は出来が悪くて花山院さまには、本当にご迷惑をお掛けして…」
「ふふ…彼は君を一番可愛がっていたみたいだけどね。修行から帰ってすぐに"いろはと契りたい"って伝えたんだ。彼、すごく喜んでいたよ。"自分が二人の縁を結べて良かった"って微笑んでくれて…明け方にそのまま…。」
「花山院さま…」
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