• テキストサイズ

*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第19章 髭切 姫彼岸花の約束・:*+.


「花山院さま?」
「うん。私が新米審神者の頃に指導していただいた方で、とてもお世話になったの。」
私は安定くんと古い書類や文を整理しながら、言葉を交わす。

「へぇ〜。偉い人?」
「とてもすごい方だよ。階級は睦月で花山院さまの本丸には、九十振近い刀剣がいるんだよ!」
「確か審神者は十二の階級に分けられるんだよね?睦月って事は一番上!?すごいね!」
「うん。睦月ほどの本丸は、何万の本丸がある中で片手で数えられる程しかないって聞いたなぁ。私はまだ階級も葉月だし、花山院さまは雲の上の存在なんだ…。」
「確かにうちはまだ三十振しかいないけど…僕は主とこの本丸が好きだよ?」
「安定くん…ありがとう。」
「へへ。それで…どうしてその人に会いに行くの?」
「花山院さまももう傘寿を過ぎて、最近お加減がよろしくないみたいで…。明日お見舞いに行ってみる。」
「そっかぁ。一緒に行かなくて平気?」
「大丈夫だよ。花山院さまのお顔を見たらすぐ帰ってくるから。」
「向こうの大和守にもよろしくね?」
「ふふ。分かった。」


꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°

ー翌日。

私が花山院さまの本丸に出向くと、近侍の三日月さんが出迎えてくれた。

「いろは…久しいな。息災か?」
「はい。ご無沙汰しております。」
「お前が来ると聞いてな。我が本丸の刀剣達が朝から沸き立っているようだ。」
「えっ?どうしてですか?」
三日月さんは私に微笑み、庭に視線を促すと、そこには柱や木の影に隠れた刀剣達が何振りも私を見つめている。

「本当に女の子がいる!!」
「いろはちゃん相変わらずかわいい〜♡」
「あの子が主の弟子なのか?」

私はその熱い視線に、はにかみながら彼らに一礼し、三日月さんに続く。

「主は体調が優れなくてな…。横臥したままでの接見にはなるが、寛恕してくれ。」
三日月さんはこくっと頷く私の背中に手を当てて、優しく部屋の中へと促してくれる。

「主。いろはが来てくれたぞ。」
「花山院さま。お加減はいかがですか?」
「いろはか…。よく来てくれたね。こんな無様な格好ですまない。」
「いえ。お顔を拝見できて嬉しいです。」
「ははは。私もだよ。この通りすっかり歳を取ってしまってね…もう爺さんだよ。」
/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp