第18章 大倶利伽羅 蕩けるチョコは甘い媚薬・:*+.
【伽羅目線♥︎︎】
俺は、広間からいなくなったいろはを探していた。
縁側に座るいろはを見つけ、ほっと胸を撫で下ろし肩に優しく手を置く。
「大丈夫か?…っ!」
蕩けるような笑顔で振り返り、俺をじっと見つめる彼女に、呼吸を忘れるほど胸が高まる。
「伽羅だぁ…ふふっ…。来てくれたの?嬉しいなぁ…」
いつもよりもゆったりとした口調でにこにこと話すいろはは酔っていると容易に分かる。
「…あいつらに相当飲まされたな?」
「えぇ〜私酔ってないよ?本当だよ?」
「あぁ。分かってる」
ほわほわしながら火照った顔をぐっと近づけてくるいろは。
少し拗ねたような素振りが可愛くて堪らない。
こんな無防備な姿…他の刀剣には見せたくない。
俺はいろはを隠すように抱き寄せる。
「ねぇ…伽羅。今日はずっと側にいてね?」
「あぁ。ずっと側にいる。」
人懐っこく甘えるようないろはの態度は、酒よりも俺を酔わせてしまう。
あぁ…これは危ないな。
いろはが欲しくて堪らなくなってしまう。
「伽羅の匂い…。安心する…」
俺の首にぎゅっと腕を回すいろはの頭を優しく撫でる。
普段二人の時にしか触れてこないいろはが、自分から手を伸ばして来たことに、嬉しさが隠せずついつい口元が緩む。
「いろは…」
俺の熱い獣欲が頭を支配し始めた瞬間、いろはの頭がこくっと揺れ落ち、すやすやと寝息が聞こえ始める。
「ふっ…。翻弄されっぱなしだな…」
俺は困ったように笑いながら、いろはを優しく抱き上げると、部屋に向かって歩き出す。
「おやすみ」
ベッドに優しく下ろすと、すやすやと眠るいろはの愛しい顔をずっと眺めていた。
ー翌朝(バレンタイン当日)
目が覚めると、眠っている伽羅の顔が真横にあり、ドキッと心臓が大きく音を立てる。
「えっ…と…私…昨日…」
「体調は大丈夫か?」
「っ!伽羅起こしちゃった?…昨日は酔っ払っちゃってごめんね?せっかく…一週間ぶりに会えたのに…あのっ…」
「許さない。」
私をぎゅっと抱き寄せ、くすっと意地悪な笑みを浮かべる伽羅。
「…どうしたら許してくれる?」
「今夜は覚悟しておいてくれ」
耳元で甘く囁かれると全身がぶわっと熱くなる。