第17章 燭台切光忠 伊達男に身も心も奪われて・:*+.
「みっちゃん?話したいことが…っ!」
みっちゃんは私の髪留めに気づいて、ぐいっと腕を強く引く。
「今朝つけていた椿の髪留めは?もしかしてこの藤…政宗公に贈られたの?」
みっちゃんは全てを察したかのように私を掴む手にぐっと力が入る。
「っ…!みっちゃん痛いよ…実は髪留めが壊れちゃって…ねぇ?みっちゃん?」
「いろはちゃん…僕は…君だけは絶対に譲れない」
「わっ!…みっちゃん?」
みっちゃんは私を抱き上げ、城の一室に入り内鍵を閉める。
「僕も政宗公と同じぐらいこの城に詳しいんだよ?ここは滅多に使われない部屋だから…」
「えっ…あっ!…みっちゃ…ん!待っ…あぁっ」
みっちゃんは部屋に入ると私を壁際に追いつめて、強引に唇を奪う。
「いろはちゃん…藤の花言葉を知ってる?」
「何で…そんなことっ…んんっ!みっ…!」
私の全てを奪う尽くすような噛みつくような口付けは、呼吸さえも許してくれない。
くちゅくちゅと舌と舌が絡まり合い、口内を隅々まで犯されると身体の力は抜けて、下半身がぞくぞくと疼きだす。
「みっちゃ…苦し…!んっ…あぁ…!ふぁ…」
「僕は政宗公の事を誰よりも知ってる。彼の言葉で、笑顔で、何人もの女性が彼に夢中になった。いろはちゃんも…彼に惹かれたの?」
ようやく唇を解放され、私の潤んだ瞳に映ったのは、苦しそうで悲しそうで今にも消えてしまいそうなみっちゃんだった。
「みっちゃん…ちゃんと話そう?…っ!痛っ…!」
みっちゃんは私の首筋に強く噛みつく。いつもとは違う、強引なみっちゃんに胸がばくばくと鼓動を刻む。
「君を奪われることが怖くて堪らない」
みっちゃんは私の着物の帯を解き、畳に押し倒すと帯紐で私の両手首を縛る。
「みっちゃん…私が愛してるのはみっちゃんだけだよ?だから…っ!やっ…!みっちゃ!待って!」
「…君の心も永遠に僕から離れないように縛れたら良いのに」
だめだ。
今のみっちゃんに私の声は届かない。
みっちゃんは私の縛られた腕を頭上で拘束すると、荒々しく着物を乱していく。
「っ…!んっ…いっ!…あぁ…みっちゃん!…やっ…」
「僕だけのいろはだってちゃんと身体に刻まないとね?」
私の肌に噛みつき、吸い付き、所有の印を刻んでいく欲望の野獣に化したみっちゃんに一切の抵抗も許されない。