第17章 燭台切光忠 伊達男に身も心も奪われて・:*+.
「だめだ。俺の城に行くぞ!ついて来い」
「へっ!?ちょっ…待ってください!」
その後、城で手当てをしてもらった私は、なぜか政宗公の自室へと案内されてしまった。
「あのっ…これは?」
「いろは。お前の為に俺が腕を振ったんだ。お前の口に合えばいいんだが…」
目の前には美味しそうな料理がずらっと並ぶ。
「えっ!?そんな政宗さま直々に料理を作っていただくなん…んっ?!」
政宗公は私の口に小芋の煮物をぽいっと入れる。
「美味いか?」
「んっー!美味しいです!小芋に味がよく染みてて…何個でも食べれちゃいます」
うわぁ〜!みっちゃんの味付けと似てる!
私はみっちゃんの手料理を思い出してふふっと笑みを溢す。
「ふっ…。お前すっげぇ美味そうに食べるな?食べてるお前をずっと見てたい。」
「へっ?こっ…困りますっ!」
「何照れてんだよ?あーんしてやろうか?」
「自分で食べますっ!あっ…あまりからかわないでください」
「くくっ。お前可愛いな?」
意地悪な笑みを溢す無邪気な政宗公に不覚にもドキドキしてしまう。
はっ!また政宗さまのペースに飲まれてしまった…!
その後も政宗公に振り回され、あっという間に時間が過ぎてしまった。
そろそろみっちゃんと合流しなきゃ…!
黒川城にみっちゃんの気配は無いから、きっと私を探しに城下町に戻ったんだ。
「あっ!あの…私はそろそろ城下へ…」
「あぁ。分かってる。送っていってやるから安心しろ。」
「そんなっ!私は一人で大丈夫ですので…」
「お前を一人にするとまた厄介ごとに巻き込まれそうだからなぁ?俺が見張ってねぇと…。行くぞ!」
政宗公はにやっと意地悪な笑みを浮かべて、私の手を握り歩き出す。
城下にやってくると、私はきょろきょろと辺りを見回し、みっちゃんを探す。
「いろは。少しの寄り道はいいだろ?ここの呉服屋は質の良い着物や小物を置いてる。」
政宗公はおねだりをするように無邪気に笑うと、私の腕を引き呉服屋に入る。
中には粋な柄の着物や繊細な装飾が施された小物がずらっと並んでいた。
「わぁ!素敵ですね!」
私はついつい目を輝かせてしまう。
「やっと笑ったな?」
政宗さまは私の頬を両手で包むと、嬉しそうに笑う。