第16章 へし切長谷部 聖なる夜は貴方に絶対服従・:*+.
ー翌朝(クリスマス当日)
俺は朝早くから出陣し、夕方帰城してすぐに審神者部屋へと向かった。
「主!ただいま戻りました!あの…この後は予定通り出かけられますでしょうか?」
「あっ…はい。じゃあ…行きましょうか!」
少しいつもと様子が違う彼女が気になりながらも、俺は久々の彼女との逢瀬に胸を弾ませる。
「主!この髪留めがお似合いです!俺から贈らせていただいてもよろしいですか?」
「主!主が好きな和菓子がありますね!ぜひ買って帰りましょう」
街を散策しながら、俺は彼女に似合いそうな物や、彼女が好きな物を次から次に購入する。
「長谷部さんっ!…先ほどからそんなにたくさん買っていただいて悪いです」
「主の喜ばれる顔を見る事が俺の幸せなのです。」
嬉しそうに顔をほころばせる彼女に、身体中が多幸感で満たされる。
俺たちはその後楽しく食事をして宿に向かった。
「主…少しお疲れですか?先ほどから元気がないようですが…」
宿に着くと少し俺と距離を取って座る彼女に不安と違和感を覚え、顔を覗き込む。
「長谷部さん…早く言わなきゃって思っていたんですけど…」
彼女は申し訳なさそうに俺を揺れる瞳で見つめる。
「実は…月のものがきてしまって…」
「…そうなの…ですか」
うぅ…。
今日は褥でも彼女をたくさん甘やかして愛したかった…。
「…ごめんなさい。せっかくお泊りを楽しみにしていたのに…」
彼女の瞳に映る俺はあまりに落胆した表情で、はっと我に返る。
だめだ!俺が寂しい顔をすると彼女を困らせてしまう。
いつも通り平然と彼女を気遣わなければ!
「いえ!主が謝られることなんて何もありません!私は貴方と過ごせるだけで幸せですから。…それよりお身体は大丈夫ですか?」
「身体は大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「では…添い寝することはお許し頂けますでしょうか?」
「もちろん!一緒に寝ましょう」
寝支度を整え、俺は布団の中で彼女を優しく抱きしめて柔らかい栗色の髪を撫でる。
「寒くないですか?」
「長谷部さんにくっついてるので大丈夫です」
彼女は俺の胸に顔を埋め、ふふっと笑う。
あぁぁ。可愛い可愛い可愛すぎる。