第16章 へし切長谷部 聖なる夜は貴方に絶対服従・:*+.
「長谷部さん。そういえばまだ一度も私を名前で呼んでくれたことないですよね?」
「そんな…主を呼び捨てにするなど」
「私は長谷部さんに名前で呼んで欲しいです」
「っ…!しかし…」
「じゃあ…。これは命令です」
悪戯っぽい笑みを溢し、俺を見つめる彼女に逆らえるはずもない。
だめだ!可愛すぎる!!
俺は悶絶しそうになる思考をなんとか必死に平常に保つ。
「しゅ…主命とあらば…。いろは…?」
「ふふ。すごく嬉しいです」
「こんな愛らしい命令なら喜んで」
「私の命令ならなんでも聞いてくれますか?」
「もちろんです!」
俺の返事を聞いて、少し窺うような瞳で俺を見つめる彼女。
「じゃあ…。今日は…私が長谷部さんを満足させたいです」
「満足とは?」
「私が…長谷部さんに…。あの…しても良いですか?」
少し顔を赤らめながら、俺の浴衣の帯を震える手で掴む彼女。
その言葉の意味を理解した俺の思考は停止し、忽然と身体の体温が上昇する。
「そんなっ!いけません!あるっ…いろはにそんな事させられません!」
「でも…さっき…私の命令は何でも聞くって言ってくれました」
「っ!それはっ…」
「せっかくのクリスマスだし、私も…私だって…長谷部さんを喜ばせたいです!」
潤んだ瞳で一生懸命俺に向き合ってくれる彼女に震えるぐらいの愛しさを感じ、ぎゅっと強く抱きしめる。
「いろは…俺はもう幸せすぎて…おかしくなりそうです。」
「ふふ。もっと幸せになってもらいます!」
「っ!」
彼女は俺の浴衣の襟を大きく開いて首筋や鎖骨に優しく口付けを落としていく。
「私の印…長谷部さんにつけていいですか?」
「っ!いろはの印なら喜んで…」
彼女が俺の肌に吸い付くと、ぴりっとした甘美な痛みが身体中に広がる。
彼女の独占欲を感じる所有の印が自分の身体に刻まれることが幸福すぎて目眩すら感じる。
「長谷部さん…大好きです」
「っ!…いろは…」
甘く耳元で囁かれると、陶酔感が溢れふわふわと身体が浮いたような感覚になる。
「…っ!…んんっ!…ぁ」
彼女はそのまま耳をねっとり舐め始める。
彼女の吐息の混じった水音が脳に鳴り響く度に身体がびくびくと震えて声が漏れてしまう。
こんな甘い快感初めてだ。
彼女に求められる事がこんなに嬉しいなんて知らなかった。