第15章 鶴丸国永 君に恍惚な驚きを…・:*+.
「なぁ加州!いろはがいるのは令和…と言ったか?」
「うん。その時代の京都で審神者会議をやってるんだって。」
その時何かを閃いたように、鶴丸の瞳が輝く。
「へぇ…。」
「ねぇ鶴丸?おかしな事考えないでよ?」
「はははっ。おっと!俺は用事を思い出した!」
足速に去っていく鶴丸に嫌な予感を覚える加州。
その予感を的中させるように、鶴丸は審神者部屋へと向かい、押し入れの収納箱をごそごそと漁る。
「うーんと。確かここに…あった!」
その物と会議の予定表を手にして、にやっと含み笑いをした。
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その頃いろはは一日目の会議を終え、交流会会場に向かおうとしていた。
「ふぅ。本丸は大丈夫かな?…鶴丸さんまた何か悪戯してないかな。」
くすくすと困ったように笑いながら外に出ると、暗くなった街がイルミネーションの光でキラキラ輝いている。
「綺麗…。」
正面に立つ一際輝く大きなツリーに目を奪われ、近づいていくと、ふとツリー横の壁に凭れかかる人物が目に入る。
「えっ?…えぇ!?」
私はここにいるはずのないその人物に驚愕し、思わず二度見をする。
「よっ!驚いたか?」
「鶴丸さん?!驚きました…じゃなくて!!えっ?どうしてここに!?それよりどうやって!?」
「まぁまぁ。落ち着け」
焦る私をよそに、余裕の笑みで私の背中をぽんぽんと優しく叩き、宥めようとする鶴丸さん。
「しかもその格好…!!どうしたんですか?」
鶴丸さんは白のニットに黒のパンツとチェスターコートという普段とは違う洋服に身を包んでいる。
「光坊に借りたんだ。どうだ?似合っているか?」
「かっこ良いです…けど!そうじゃなくて…!」
「はははっ。いろはは素直だな?」
「とっ…とりあえずこっちに!」
他の審神者達の声を背後に感じ、急いで鶴丸さんの手を引き走り出す。
「はぁはぁ…。ここなら大丈夫かな…」
「いろは大丈夫か?」
「"大丈夫か?"じゃなくて…ちゃんと全部説明してください!」
「あぁ。ここに来たのはこれを使ったんだ。」
鶴丸さんはウインクをしながら古い時空移転装置を取り出す。