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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第15章 鶴丸国永 君に恍惚な驚きを…・:*+.


「いろは!今戻ったぞ!」
「わっ!鶴丸さんお帰りなさい!」
「ははっ。驚いたか?すまんすまん。」
「もぅ。鶴丸さん!」
鶴丸さんは急に背中から私を抱きしめて、驚く私に悪戯っぽく笑う。


私の愛刀は鶴丸国永。
いつも私を驚かせることに全力を注ぐ彼に私は翻弄されっぱなしだ。

想いを告げられた時も、私のために手作りのケーキを作ってくれて…。お世辞にも上手とは言えない出来だったけど、頭や顔を小麦粉で真っ白にしながら一生懸命作ってくれたことに感激したなぁ。
私が湯船におもちゃのアヒルを浮かべていたら、次の日に本物の鶴を浮かべた時はさすがに驚いたけど…。

私よりずっと大人なのに少年みたいに無邪気で可愛くて…。
最後には私を必ず笑顔にしてくれる
優しくて愛しい自慢の刀剣だ。

ふふっ…と思い出し笑いをしながら鶴丸さんを見つめると、ちゅっと優しく口付けられる。
「そう言えば…君に文が届いていたぞ!まさか恋文か?」
「もぅ…そんなわけないですよ。なんだろう?」
文面を見つめるいろはの背中に回り込み、内容を確認する鶴丸。

「審神者会議のお知らせみたいです。」
「審神者会議?」
「はい。年に一度の行事で、毎年京都で開催されているんです。」

「ん?…一泊二日?泊まりなのか?」
「そうなんです。その2日間は刀剣の皆さんも休暇になりますよ。」

「へぇ…。それで夜は交流会か?」
「…あっ…そうみたいです。」
後ろから抱きしめていた鶴丸さんがいつのまにか正面に回り、肩に肘を置いて髪の毛を長い指で弄り始める。

「審神者同士で酒を飲んで仲を深めるのか?」
「えっ…と…。鶴丸さん…もしかして怒ってますか?」
いつもの笑顔が消え去り、温度のない瞳で私を見据える鶴丸さんにどっと不安が押し寄せる。

「なぁ。審神者には男もいるんだろ?」
「…は…い。」
ぐっと顎を掴まれ、鋭い金糸雀(かなりあ)色の瞳で見つめられると呼吸さえも許されない気持ちになる。

「それはそれは…楽しみだな?」
「…鶴丸さん…」

「ふふ…っははは!なんてな!俺が怒っていると思って驚いたか?」
「えっ⁈鶴丸さん?冗談だったんですか⁈」
「はははっ…すまない。君の困った顔があまりにも可愛くて後に引けなくなった。」
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