第1章 理想のペアとハムちゃんズ
「大丈夫なのだ。君は僕と心が通わせられたのだ。自信を持つのだ」
「サンキュー、まさかハムスターに励まされるなんてな。あれ、君の仲間たちは?」
「仲間たちなら地下ハウスに戻ったのだ。僕とタイショーくんがもう少しここでお散歩していたところで丸井くんを見かけて、タイショーくんは木手くんを探しに行ったのだ」
「なんだ、そうだったのか。てっきり、ハム太郎くんたちも迷ったかと思ったよ」
「そんなこともなかったのだ」
丸井とハム太郎がそう会話している一方、木手もタイショーとハム太郎が名前を言っていた黄色いヘルメットをかぶった灰色と黒のハムスターと似たような会話をしていたのでした。
「おっす!」
「…………」
タイショーの言っている言葉がわかるようになったことで初めのうち、木手はタイショーの前で固まっていましたが、自己紹介を初め、タイショーと会話をしていくにつれ、慣れてきます。
「あんた、もう1人のリンゴのようにおいしそうな髪の色をした男の子はどうしたんだ? はぐれたのか?」
「いえ、別々に行動しております」
丸井のことを聞かれたことが解った木手は首を横に振りました。