第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「トラハムくんのことか」
「彼なら、探しに来てくれた仲間たちと地下ハウスに帰りましたよぉ」
「そうですか。良かったです」
ホッとしていたかえででした。
「もうハムスターのナンパに付き合わされるのは懲り懲りです」
「ワタシのご飯を買いに行ったとき、そういう大変なことがあったんですね」
「ナンパより走ってトラハムくんを探してた方が大変だったけどな。そうだ、ハム太郎とタイショーくんと、こうしくんって言ったっけ。それから、トラハムくんの妹のトラハムちゃんに会ったよ」
と、丸井が報告をすると、かえでの瞳が輝きます。
「ハム太郎くんたちにも会ったんですね、丸井さんたち。こうしくんもよく知ってます。時折、ワタシもこっそり抜け出して地下ハウスに遊びに行ったことがありましたから。しかし、トラハム兄妹は会ったことがなくて、今回トラハムくんの方に会うのはワタシ、初めてでした。賑やかな子で驚きましたけど」
「突然出会ったハムスターでしたからね、彼は。オレも驚かされました」
と、木手が目を閉じながら言ったところで鬼十次郎が戻って来ました。
「よぉ、お待たせ。悪かったな。さっ、かえで、戻ってご飯だ。丸井、木手、じゃあな」