第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「かえでの餌を買いに行くんだったよな」
「ペットショップに行きましょうか」
ハム太郎たちの姿が見えなくなるまで見送ったあと、丸井と木手はペットショップに行きました。そこでかえでの餌を買い、日が暮れる前にUー17合宿所に帰れます。
合宿所の施設の玄関まで丸井と木手が行くと、ケージを片手に持った鬼十次郎にちょうど会いました。
「ただいま戻りました。はい、これ」
と、丸井は先ほどペットショップで買ったかえでの餌の入った紙袋を鬼に渡します。
「サンキュー、ごくろうさん」
「鬼さん、ちょっと」
かえでの餌を受け取ったと同時に、鬼は入江奏多に呼び出されました。
「悪い、かえでを頼んだ」
と、理想のペアに頼み、ケージを置いて鬼は行ってしまいます。
「高校生って大変だな」
丸井は風船ガムを膨らませていました。
「忙しそうですね」
片手を腰にやった木手です。
「丸井さん、木手さん」
ケージの中にいたかえでが、理想のペアに話し掛けました。二人はケージの前に中腰になります。
「おお、かえで」
「あなたのご主人、すぐ戻りますよ」
「あの、ワタシのご飯を買って来てくださり、ありがとうございます。それで、マラカスを持ったハムスターは……?」