第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「トラハムくんの気持ちに共感していて、そこまでオレも考えてなかった。そうだよな。意地になって家出までしなくたって彼女づくりは出来るよな」
丸井も目が点になっていました。
「うん、君たちの言葉を聞いて決めた。オレ、地下ハウスに帰るよ」
少し考えたあと、トラハムくんは理想のペアを真っ直ぐ見て言い、マラカスを振ります。
丸井と木手は何も言わず微笑し、頷きました。
それから、トラハムくんは観念して二人に捕まったとウソをハム太郎に言い、トラハムちゃんと仲直りしたのでした。
みんなに謝っていたトラハムくんに、ハム太郎たちも笑って許していました。
「ごめん…、ごめんよ…」
「ほら、さっさと地下ハウスに帰るぞ。早くしないとオレたち置いてっちゃうぞ」
「タイショー…」
一番怒っていたタイショーの手がトラハムくんの肩に置かれます。このときのタイショーの手が温かく感じたトラハムくんです。涙目になり、ぐずっといっていました。
「トラハムくん、泣かないのだ」
慰めに来たハム太郎です。
「泣いてなんかない」
そう言ったトラハムくんは慌てながら涙を手で拭っていました。