第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「やれやれ、今度は悲観ですか」
「トラハムくん、こんなモヤモヤしているときだからこそ、地下ハウスに帰るんだ。帰った方がいい」
「え?」
丸井の方を見上げたトラハムくんです。
「トラハムくん、自分で気付いているだろい。地下ハウスにいる仲間たちがうんと大事だって」
「ハム太郎たち……」
トラハムくんはハム太郎たちの姿を思い浮かべていました。
「ノッポって方がどんな方か知りませんが、彼と比べても仕方がないと思いますがねぇ」
「自分にはない魅力みたいなのを相手が持っていてムカムカすることがあるかもしれねえけど、トラハムくんだって相手がまぶしく感じるほどの魅力があるんじゃね」
「それって例えば?」
「さあな。わかんね。まだだって、オレたちはトラハムくんと出会ってからそんなに日が経ってないだろい」
「何だよ、もー」
マラカスを振ってジタバタしていたトラハムくんです。
「そもそも、彼女をつくるまで地下ハウスに戻らない点からおかしな話です。別に家出までしなくても出来ることでしょう」
「……」
木手の言葉を聞いたあと、トラハムくんの目は点になり、赤面までしてしまいます。