第2章 理想のペアとトラハム兄妹
トラハムくんは神妙な面持ちでした。
「あのとき、木手がトラハムくんを荷物の中に隠したんだよな」
「はい、あなたがハム太郎くんと話している隙に彼に話し掛け、来てもらいました。あとからすぐにタイショーくんたちが来たときにはハラハラしましたがね。見つかるかと思いましたよぉ」
「オレ、隠れるの上手だろう? イエーイ」
「調子がいいんですからねぇ」
と、木手が言ったあと、シーンとなります。
丸井と木手はトラハムくんが口を開くのを待ちました。
木手が何か言おうとしていたようですが、丸井は視線でストップを訴えていました。木手は解ったか、そっぽを向き、両腕を組んだのでした。
もうしばらくの間、シーンとなっていましたが、トラハムくんはようやく口を開きます。
「妹はノッポといればいいじゃないか。オレなんか探してる場合じゃないだろう」
「でも、ハム太郎たちと探しに来た。トラハムくん、大事にされてるだろい」
「そうなのかな」
「さあ」
「おい、キテレツ……」
笑いながら怒った丸井です。
「あなた、妹のことが信じられないのでしょう? だから、オレはさあと言いました」