第2章 理想のペアとトラハム兄妹
噴水広場より北に来た丸井たちは、走りながらトラハムくんを探します。
「トラハムくん、トラハムくーん!」
「出て来ないと、ゴーヤー食わすよぉ」
「余計に出て来ねえって。ん、あれ?」
丸井がトラハムくんの姿を発見したようですが、木手が止めます。
「待ってください。丸井くん」
木手は丸井に耳打ちしました。その後、丸井は、大きな声を出します。
「ああー!」
「どうしましたか、丸井くん」
「いたんだよ、トラハムくんが」
「ホントなのだ?」
ハム太郎が丸井のところに来ました。
「あっちの木が多い方に走っているのが見えたんだ」
「行ってみるのだ」
「ああ」
丸井とハム太郎が走り出し、しばらくしてから木手が追いつきます。
木手のあとに遅れて、こうしとタイショーとトラハムちゃんも来ました。
トラハムちゃんの目がまだ腫れていたようですが、ようやく落ち着いたようです。
「トラハムが向こうにいたんだな?」
と、タイショーに声を掛けられ、丸井が返事をし、
「ああ、あっちの木が多い方に走って行ったのを見たんだ」
急いで走りました。
「本当にあっちでしょうね?」
訝しげにしていた木手です。