第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「心配…」
タイショーの言葉に息を呑むトラハムくんです。
「お兄ちゃん、捕まえた」
トラハムちゃんは兄の手を両手で捕まえました。
「ああ、そうだ。トラハムちゃんは道中、ずっとお前のことを心配してたんだぞ」
「そうなのだ、トラハムくん。トラハムちゃんは泣きそうになっていたのだ」
「そうですよ。お兄ちゃんが見つからなかったらどうしよう、生きていけないとトラハムちゃんは泣いていました」
「ちょ、ちょっと、ハム太郎くん、こうしくん、そこまで言わなくても……」
トラハムちゃんが恥ずかしそうにしていたときです。トラハムくんがトラハムちゃんの手を振り払い、睨み付けます。
「オレなんかいなくたって、ノッポがいれば大丈夫だろう。もう追いかけて来るなよ」
トラハムちゃんに向かってそう言ったあと、トラハムくんは走って行ってしまいました。
「あ、おい、トラハムくん!」
「追いましょう、丸井くん」
「ああ」
「トラハムくん、待つのだ!」
理想のペアとハム太郎が追いかけて行きます。
「ううっ…」
少年たちの姿が見えなくなってから、トラハムちゃんは泣いてしまいます。こうしとタイショーはそばで慰めていたのでした。