第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「そんなもんですかねぇ」
「ああ、わかる、わかる。ま、外れることもあるけど」
「本当に見つかるのですか……」
「大丈夫、トラハムくん、すぐに見つかるよ」
「……」
木手は前を走っていた丸井の背中を無言で見たあと、ハム太郎たちの走る方向に視線を向けました。
「公園まであと少しよ」
と、みんなに言ったトラハムちゃんです。
「トラハムの奴、見つけたらわかってるな?」
「ダメですよ、タイショーさん」
今にも怒りそうなタイショーをこうしは抑えます。
「ええい、離せい、こうしー」
タイショーに手を振りほどかれ、こうしはそのまま転がってしまいました。
「こうしくん、大丈夫なのだ?」
先に走っていたハム太郎が戻って来ます。
「はい」
目を回していたこうしでしたが、すぐに起き上がり、走ります。ハム太郎はほっとひと息つき、こうしのあとに続いて走りました。
公園が見えてくると、丸井と木手はトラハムくんがいないか左右を見ながら探します。ハム太郎たちも走り回りながら探していました。
トラハムちゃんだけ、公園の噴水広場の方へ向かって行きます。そこに行くと、トラ模様のハムスターが一匹いました。トラハムくんです。