第2章 理想のペアとトラハム兄妹

　「お兄ちゃん」


　「え？」
　後ろに妹のトラハムちゃんの姿があり、驚いたトラハムくんです。


　その後、トラハムくんは目を閉じ、首を振り逃げ出しました。


　「お兄ちゃん、どうして逃げるの？」
　トラハムちゃんは焦った表情で兄を追いかけます。


　「オレなんていなくていいんだ。イエーイ、イエーイ！」


　「何を言ってるの、お兄ちゃん。ちょっとー」


　「丸井くん」
　トラハム兄妹が追いかけっこしている姿が見えた木手が、丸井に教えました。


　「いたんだな、トラハムくん。おーい、トラハムくーん」
　丸井の声にピクッとなったトラハムくんでしたが、逃げることを止めません。


　「逃がしませんよぉ」
　木手が素早い動きでトラハムくんを捕まえようとしましたが、


　「捕まらないよー」
　と、トラハムくんに走るスピードを上げられ、木手の捕まえようとしていた手が空振りです。


　「トラハムくん」
　先回りした丸井でしたが、


　「待たないよー、イエーイ」
　トラハムくんはマラカスを振りながら、別の場所へ逃げてしまいます。

　「トラハムくん、待つのだ」


　「話だけでもしましょうよー」

　トラハムくんに追いつきそうになっていたハム太郎とこうしでしたが、