第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「彼の話を聞いて、トラハムくんがなぜ、U-17合宿所にいたのか、話がつながってきましたね」
「ああ。君のお兄さんを探すの、オレたちにも手伝わせてくれ。さっきまで君のお兄さんと一緒だったんだけど、誰かさんがさー」
「何を見ているんですか、アナタ」
細目で風船ガムを膨らませながら見ていた丸井に、木手は鋭い視線を送り返していました。
「ありがとう。丸井さん、木手さん、お兄ちゃんを一緒に探すのお願いします。お兄ちゃんがだいたい行きそうな場所は分かるから、私に任せて」
「トラハムちゃん、頼もしいのだ」
「よし、お前たち、トラハムちゃんについて行こうじぇ~」
「「おー!」」
タイショーの掛け声とともに、先頭を走るトラハムちゃんについて行ったハム太郎たちです。
丸井と木手もハム太郎たちを見失わないように、あとを追ったのでした。
「ところで、トラハムさんの行きそうな場所ってどこでしょうか?」
「任せて、こうしくん。お兄ちゃんは、公園が好きだから、さっき丸井さんと木手さんと会う前に通った公園があったわ。そこまで戻れば、お兄ちゃんは必ずいるはず」
「ずいぶん、自信があるのですねぇ」
「きょうだいの行きそうな場所って、だいたいわかるもんだろい。オレも弟が行きそうなところってわかるし」