第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「いいえ、トラハムくんは私のお兄ちゃんです」
「わりぃ、トラハムくんと間違えて」
「ううん、兄妹そっくりだから」
「ということは、あなたがトラハムくんの妹の?」
「トラハムちゃんなのだ」
こうしのときみたく紹介したハム太郎です。
「よく見たら、しっぽに赤いリボンがあったな」
丸井が言い終えると、トラハムちゃんは理想のペアの方を再び見上げます。
「丸井さんと木手さん、お兄ちゃんのことを知っているのね」
「まあな。出会いは突然だったけど」
「いきなり、U-17合宿所の休憩ルームにいましたね」
「状況を察するからに、地下ハウスを家出したトラハムはどうせトンガリの相棒のブタのトン吉に乗ってる間に、丸井くんと木手くんたちのいるところに着いてしまったんだろう」
タイショーは両腕を組み、うんうん頷きながら口にしていました。
「さっすが、タイショーくんなのだ!」
「いっやぁ~、それほどでもねぇぜ~」
「さっき、道中で会ったトンガリさん本人に聞いたばかりのことですけどね…」
「あははは、そうよね…」
拍手しているハム太郎の横で苦笑していたこうしくんと、トラハムちゃんです。