第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「丸井くんと木手くんなのだ」
聞き覚えのある声がした理想のペアは、顔を下に向けると、4匹のハムスターがいたのです。
オレンジと白のハムスター、牛の模様したグレーと白のハムスター、黄色のヘルメットをかぶったハムスター、トラハムくんにそっくりのハムスターが理想のペアの方を見上げていました。
「ハム太郎とタイショーくん!?」
丸井は木手から離れ、ハム太郎たちの前でしゃがみます。
「おや、見覚えのないハムスターもいますね」
「ひっ!」
牛の模様したグレーと白のハムスターは木手を見て怯え出し、タイショーの後ろに隠れてしまいました。
「この子は、こうしくんなのだ」
と、ハム太郎は紹介します。
「おい、こうし、怯えすぎだ。怖い人たちじゃねえよ」
タイショーはそう言うと、こうしはだんだん怯えなくなりました。
「初めまして、こうしです。よろしくお願いします」
「ああ、シクヨロ。オレは丸井でこっちが木手」
「どうも。おや、トラハムくんではないですか?」
「本当だ。トラハムくんだよな?」
木手と丸井がトラハムくんそっくりのハムスターに声を掛けると、本人は首を振ります。