第1章 理想のペアとハムちゃんズ
丸井と木手がハムスターたちをそうっとしておき、自動販売機へ行こうとしたところ、オレンジと白のハムスターたちが理想のペアの前へ回り込みます。そして、じっと見つめていました。
「キテレツ、ハムスターたちはもしかして……」
「ええ、オレたちに助けを求めているのかもしれませんね」
「助けって、ヘルメットのハムスターのことだよな。でも、動物病院へ連れて行こうとすると、そこのオレンジと白のハムスターが止めるし……」
オレンジと白のハムスターは丸井と目が合うと首を傾げ、くしくしと毛繕いをします。
「それでも丸井くん、ヘルメットのハムスターを動物病院へ連れて行きましょう。このままだとますます弱ってしまいます」
木手が黄色いヘルメットの灰色と黒のハムスターを持ち上げようとするとやはり、オレンジと白のハムスターが首を振り、じっと理想のペアを見つめていました。
「……あ、やっぱり、オレンジと白のハムスターが止めようとしている」
「仲間のヘルメットのハムスターがオレたちにさらわれると思って止めているだけかもしれませんよ」
「そうかもしれないけど、どうもそれだけじゃない気がして」
「丸井くん、あなた、ハムスターの言葉でも解るのですか?」
「そういうわけじゃねえけど……」
「なら、ヘルメットのハムスターの仲間たちは放っておいて、急いで動物病院へ連れて行くべきです」