第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「そこの君、オレはトラハムくんさ。良かったらこのあと、一緒にヒマワリの種を食べないかい?」
と、誘ったトラハムくんですが、相手にはっきり断られてしまいます。
「フラれましたね」
またそう言った木手に、顔面硬直していたトラハムくんはマラカスを振り始めました。
「次だ次! いえーい、いえーい!」
「あ、トラハムくん…」
走り出すトラハムくんの名前を呼んだ丸井でしたが、もう次のハムスターの女の子のところに行っていました。
今度の相手は左耳の前にピンクのリボンを付けたハムスターです。
「ねえ君、これから…」
何と、トラハムくんが誘う前に相手に断られてしまいます。
「ナンパしたメスのハムスターたち、きっとトラハムくんに合った子じゃなかったんじゃね」
しょげていたトラハムくんを慰める丸井です。
「そっか。うん、次だ次! いえーい、いえーい!」
「ちがう場所に行ってみるか」
「……」
先に行った丸井とトラハムくんの後ろ姿を、木手はメガネを光らせながら遅れてついて行きました。
その後も、トラハムくんはハムスターの女の子を何とかデートに誘い出そうとします。
しかし、結果は同じで相手に断られてしまいました。