第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「まあ、今、話を聞いてくれるならいいさ」
「オレは今すぐにでもここから立ち去りた…」
立ち去りたいと言いそうになった木手の口を片手で塞いだ丸井です。
「そういえば、ここまで来たのに何か事情がありげだったな。話って何?」
「オレは地下ハウスを家出してきた」
地下ハウスと聞き、理想のペアは目を丸くします。
「地下ハウスって、ハム太郎たちがいるところだよな」
「と言うことは、あなた仲間ですか」
「もうオレは、あいつらの仲間なんかじゃなーい」
「やーめーてー」
マラカスを振ってうるさくするトラハムくんに再び耳を塞いだかえででした。
「おいおい、どうしたんだよ家出って」
丸井が尋ねると、シリアスな表情になったトラハムくんです。
「オレには双子の妹がいる。外見こそオレそっくりでしっぽに赤いリボンを付けているのが目印だ」
「きっと」
「そう、可愛い妹さ」
丸井が可愛い妹と言うよりも先にトラハムくんが言いました。
「妹はノッポといるようになってから、すっかりオレの相手をしてくれなくなった。だから、オレが彼女を作るまでは地下ハウスには戻らないとあいつらに言って出て行ったのさ」