第2章 理想のペアとトラハム兄妹
「あ、丸井さん、木手さん、お疲れ様です」
「よぉ、かえで」
「どうも」
丸井と木手は前回のミッションにより、ハムスターの言葉が解るようになっていました。
「トレーニングが終わったばかりで申し訳ないのですが、そこにいるハムスターをどうにかしてもらえませんか。マラカス持ってうるさくて」
と、かえでが言うと、トラ模様のハムスターが余計にうるさくなります。
「だって、暇だったんだよ、いえーい、いえーい!」
「わー、やーめーてー」
マラカスの音に耳を塞いでいたかえででした。
「こら、やめろ」
丸井が注意すると、トラ模様のハムスターは静かになりました。
「君たち、さっきの」
「あなたのおかげでトレーニングに遅刻ですよぉ」
木手が両腕を組んでそう言うと、トラ模様のハムスターはマラカスを振ってプンプンしていました。
「ふん、こっちだって、君たちがオレの話の途中でいなくなるから、ずっと待ってたんだぞ」
「逆にトラハムスターの方が怒ってるよ…」
「オレはトラハムくんだ」
「オレは丸井でこっちが木手。話の途中でいなくなったのは悪かったと思ってるよ。遅刻すると怖いコーチでさ」