第1章 理想のペアとハムちゃんズ
「はい、こちらです」
かえでは理想のペアを追ってきたコースを思い出しながら案内をしました。
すると、Uー17合宿所直通のバスが駐車してある乗り場まで来ます。そして、何と、乗り場にかえでのあみぐるみのリボンが見つかったのです。
「おっ、あった、あった」
丸井が落ちていたあみぐるみのリボンを拾い上げました。
「オレたちを追いかけるのにバスを降りたあと、落としてしまったのでしょう」
と、木手です。
「かえでのあみぐるみのリボンは見つかったものの、オレたち、帰っても大丈夫かな。キテレツと心を通わせられた気がしねえ」
「同感ですね」
「本人たちはああ言っているが、大丈夫だと思うぞ。すごかったじゃねえか、この広い町の中、お互いが行きそうな場所をお互いが当てて」
ぽつりとタイショーが言いました。
「僕もそう思うのだ。丸井くんと木手くん、心が通じ合えるのだ」
タイショーの横でハム太郎も頷きます。
「Uー17合宿所に戻って齋藤コーチに良い報告が出来そうですね、丸井くん、木手くん。帰ったら、ワタシは上手くこっそりハムスターハウスに戻りますから、丸井くんと木手くんは齋藤コーチのところに真っ直ぐ行ってしまって下さい」
あみぐるみのリボンを付け直したかえでは先にUー17合宿所直通のバスに乗りました。