第1章 理想のペアとハムちゃんズ
「ちっくしょい、見つからねえ……」
「タイショーくんたち、どこに行ってしまったのだ……」
「さっきの場所に戻って休むか、ハム太郎くん」
「うん、そうするのだ」
ハム太郎は丸井を先ほどの自動販売機の場所に案内します。
丸井はタイショーを連れて行ったときにペットショップから余分にいただいた水とひまわりの種をハム太郎に与えてから、自動販売機でペットボトルの飲み物を買い、水分補給しました。
「あー、うめー!」
「僕も生き返ったのだー!」
「さーて、このあと、どこ行くかだな……」
その後、沈黙になり、ハム太郎は再びひまわりの種を食べ、水を飲み、丸井を見上げ、くしくしと毛繕いをします。
丸井は木手が他に行きそうな場所について考えていましたが、思いつきませんでした。とりあえず、ハム太郎にどこでも良いから案内をしてもらったところ、野球のボールが道端に落ちていたところで丸井はぴんと思いつきました。
「……思えば、あいつと心を通わせられそうなものって1つしかなかったな。ハム太郎くん、悪いんだが……」
にっと丸井がそう言った頃、河原の方にいた木手も、その辺に落ちていた丸い石を見てぴんと思いついたか、こう言います。
「……わかりました。オレは間違っていましたね。タイショーくん、すみませんが案内していただけませんか……」
そして、
「「テニスコートのある場所に」」
と、丸井と木手は離れた場所で同時に言いました。