第1章 理想のペアとハムちゃんズ
「えっと、えっと……」
「わかったよ、ハム太郎くん。かえでのあみぐるみのリボンと木手の行きそうなところだよな。うん、あいつの行きそうなところは後回しだ。かえでのあみぐるみのリボンを探すの先にしよう」
「あわわ……」
丸井がかえでのあみぐるみのリボンと木手の件を別々に捉えていたため、ハム太郎は慌て出します。このままでは、丸井が木手と心を通わせることのクリアに程遠くなってしまうとハム太郎は目が回りそうです。
しかし、ハム太郎が予想もしない言葉が丸井から返ってきたため、ハム太郎は落ち着きます。
「かえでがタイショーくんと一緒なら、さっき、ハム太郎くんはタイショーくんは木手を探しに行ったって言っていたよな。ということは、木手はかえでとタイショーくんと一緒かもしれねえよな」
「うん、多分、いや、絶対一緒なのだ」
「それなら、探しているものもきっと同じだな。さすがに木手も困った人っつうか動物のことを放っておけないだろい。なあ、あみぐるみのリボン、かえでからどの辺に落としたか聞いていないか?」
「ごめん、そこまでは……」
「そっかぁ。なら、さっき、タイショーくんが倒れていた自動販売機の場所まで案内してくれないか? もしかすると、木手もそこに来てるかも……何つってな」
丸井はハム太郎にそう頼み、片手を頭の後ろにやりました。