第1章 理想のペアとハムちゃんズ
「あなた、よくハムスターハウスから出られましたね。ご主人に知られたら大目玉なのでは……」
「ワタシのことはいいから、いいから。君と丸井くんは仲間たちと柘植コーチの厳しい特訓に耐えているからこそ、ワタシやハムスターの言葉がわかるようになったのかもしれませんよ」
「そうですかねぇ……」
「きっとそうです。では、ワタシが用意したゲームをクリアして丸井くんと心を通わせてもらいましょうか。丸井くんも恐らく、ハム太郎くんから聞いて動き出していると思います。これは本当の話、ワタシが君たちの姿を探し回っていたとき、ご主人様に前にいただいたあみぐるみのリボンをどこかに落としてしまいました。それを探し出して欲しいのです。ワタシのあみぐるみのリボンを探し出すだけでなく、丸井くんならどこを探しに行きそうか、イメージしながらお願いします」
「………」
木手はかえでのゲームの内容に固唾を飲みます。
一方、丸井の方もハム太郎からかえでの用意したゲームのことを聞いていました。
「丸井くんって、かえでさんってハムスターのことを知っているのだ?」
「ああ、知ってるぜ。鬼先輩のペットだろう。かえでがどうしたんだ?」
丸井は鬼とかえでの姿を浮かべます。